映画_シン・エヴァンゲリオン

ああ、エヴァ終わったんだな…終わらせたんだな…

(ネタバレちょっとあり)

 

 エヴァにはそれほどのめり込んでいなかったが、テレビシリーズからリアルタイムで体験してきた世代、見るしかないっしょ…とのテンションで拝見。

 碇親子の歪な物語とチルドレン達の居場所を求める物語だと思った。

 個人的なハイライトは碇ゲンドウが銃で撃たれたシーン。ナウシカで言うところの「ヒドラ」化してしまったの!?という衝撃。ちょっと作品に距離を取られてしまった。

 ○○インパクトとか槍の話は難しくて理解していないが、劇場版の中では理解しやすい映画だったと思う。

 ①パリ郊外戦闘シーン

  もう目まぐるしくて何がどう動いているのか分からなかったけど何か凄かった。庵野監督が好きで作ったのか、そんなシーンが好きな観客のために作ってくれたのか。

 ②レイ(仮称)の居場所

  プラグスーツを着たまま農作業。なんてシュールな…と思いながらもレイ(仮称)が読書を重ねているシーンにはグッときた。自身の限られた生存時間の中で自身のことを考えてくれた時間をとってくれたシンジに感謝して消えるレイ(仮称)…なんて儚くも純粋なんでしょう。シーンの時間はちょっと長いなと思いながらも丁寧に作るには必要な時間なのかもしれない。声優の林原さんの声をたくさん聞くことができてよかった。

 ③シンジくん復活

  まあ本当いつもイライラする程のネガティブさん。何も言葉にできないシンジくんをアスカが代弁してくれていたので耐えられた。元クラスメートの相田ケンスケに救われたね、シンジくん。「みんなどうしてこんなに優しいんだよ!」と叫ぶシーンには定型を感じたが、それでもグッときました。泣いて、食べて、働く。そうした何気ない生活って大切なのだな。それにしても相田ケンスケ…かっこいいなぁ。元クラスメートたちがみんな身も心も「大人」になっていてシンジくんとのコントラストを際立たせていた。

 ④ヤマト作戦

  なんかもう、機動力を増した宇宙戦艦ヤマト庵野監督、好きだったのかな。1枚も2枚も上手な冬月さん、渋くてかっこいい。ゼーレのシナリオ、ゲンドウのシナリオ…昔からみんなどんだけ先を読んでいたの??って昔から不思議だったけど、そこは漫画ですよね。アスカが使徒化するシーンはゲンドウ銃撃に匹敵するハイライト(個人的)でありました。冬月「後はよしなにしたまえ」…やはり渋い!

 ⑤クライマックス

  いろんな映像技術?が使われていて、良かったのか悪かったのかよく分かりません。NHKプロフェッショナルを見てから映画を見たので「ああこのシーンか」との本編とは別の感動?もありました(笑)映画からプロフェショナルの人は逆の感動があったのかな。

  ゲンドウのユイへの愛情?は分かったけど、周りの人(引いては全人類)を巻き込みすぎ。列車の中での心象描写はもうお約束なのでしょうが、最後の映画にしてやっと見慣れた感じでちゃんと見られた。ゲンドウは最後にしてやっと自分の息子(シンジ)の中にユイを見ることができたのでしょう。よかった。それにしても周りを巻き込みすぎ(笑)

 シンジくんも大人になったね。冷静で客観的で。覚悟を決めた人の行動なのでしょう。そんなシンジくんも最後は母に救われて、ユイの伏線?も回収された。

 アスカも居場所を見つけましたね。あのケンスケならきっと…。ああ、本当にエヴァ終わるんだな…と感じた一瞬だった。

 最終シーンは庵野監督の故郷の駅なのかね?現実に戻ってきました。あああ…戻ってきたなぁ…という何とも言えないこの感じ。物語の終わりにはつきものなのでしょうか。「君の名は」でも似た感覚があったのを思い出したが、決して映画「ドラゴンクエスト5」とは違うとも思った。

 

 ああ…みんなそれぞれ自分の居場所へ戻っていく。

 成長し、これで良かったという物語を紡いでいく。

 それは監督然りで、エヴァが終わったのか、終わらせたのか。

 全てのエヴァンゲリオンにさようなら。

 とにかく20数年観客だった僕だけが、成長もせず、物語も紡げず取り残されてしまった。